背景
うちの部屋には立派なスピーカーがある。学生の頃、JBLのブルーバッフルにあこがれて、そこそこ手頃な価格の4305Hを買ったのだ。高級機には全然及ばないが、これでスタジオと同じ音が家で聴けると思った。
今ふりかえると、学生時代が一番部屋の環境が整った時代だった。
社会人になると、社員寮で家具が揃ってる部屋だったし、部屋も狭いし、とりあえず最小限の荷物で引っ越ししようと思い、机やイスを捨ててしまった。必要になったらまた買うだろうと思っていた。
社員寮では机の両脇に、折りたたみコンテナを縦にして、それでも高さが足りなければ、スピーカーを収めていた発泡スチロールを積んでそこに木の板を置いたりしていた。
さらに、転職して今の環境、我が人生で最悪の音響環境である。
前回のオシロスコープ修理中のときに、 これひでぇなってことで記念に撮った写真。 スピーカーはどこにあるでしょうか!? |
学生のときに使っていた机やイス(今思うと捨てなきゃよかった)が無いため、引っ越ししたら家具なし状態に。行き場を失ったスピーカーはこともあろうに、スチールラックの上に追いやられてしまった。
本当であれば、スピーカーの高さは耳と同じ位の高さにあるべきか、耳の方向に向いていなくてはならない。この位置で最適なポジションは、常に立ち続けるということだ。
本来の性能を発揮できずに、ただ鳴り物として存在しているスピーカー。
これではスピーカーがかわいそう。
机やイスはちゃんとしたものを買うと高いので(だからいつまで経っても買えないのだ)、とりあえず今の環境でスピーカーの位置がいい感じに鳴るようなスタンドが欲しいなと思った。いい加減、スピーカーをちゃんとした環境で使いたい!!
方法
それにしても世知辛い。スピーカースタンドも買うと高いのだ。音にこだわって作られたスピーカースタンドは硬くて品質の良い木材などを贅沢に使っていい感じだけれど、高い。であれば、GW前半はやること無いし、金もないなら、やはりここは作るしか無いかと。
カインズホームに行くといろいろな種類の木材があるが、ケヤキ、ナラ、ウォールナットみたいな硬くて重い木材は売ってなかった。こだわりの家具をDIYみたいな、高級木材は素材で売っても売れないのだろう。
売ってたらこれで本格的に製品に近づくな…とか思ったけど、あったら多分予算オーバーだったな。ちなみに、予算は5,000円くらいです。
で、板材は杉、柱材はヒノキになりました。ベニヤはちょっと品がないし、さすがにホワイトウッドは柔らかすぎだよなーってことで。なんで柱と板で木材が違うのって思われると思いますが、単純に購入ミスです。
ヒノキで揃えようと思ったんですが、なぜか手にもってたのはスギでした。でも、ヒノキの板材高かったから、スギで良かったかもしれんね。
板材合計で4,400円。板材のカット料が300円でしたので、無事予算内に収まりました。
板材だけで言えばね…?
板材はカットしてもらいました。 |
作業時間の8割はやすりがけです。 普段のワークスペース(プロっぽい表現)に、ニコちゃんマークの落書きすると 途端にワーキングウーマンのインスタっぽくなります。 |
いい感じに柱材の長さとか平面整えて、面取りしたらだいぶいい感じになります。
ワンモアシング
2つじゃねーかとは言わないで。1.塗料でいい感じに
色だけでもウォルナットに |
オイルステインは油性塗料のようなきつい臭いがありますが、程なく落ち着きます。スギ、ヒノキ材とは思えない色ですよー!!
2.分解可能にして、将来性ある感じに
1個で充分でしょう!! |
柱は鬼目ナットを圧入して分解できるようにします。後で机に置く時は柱を切ってもいいし、ホームシアターのスピーカーとして使うなら、当初設計の高さでもいい感じになるはずです。
完成
製作期間2日 完成しました!! |
天板、底板ともにビスが飛び出ないようにザグリ加工してあります。 こういうところにプロっぽさが出ます。 |
底には大きめのゴム足をつけてるので、振動をいい感じに吸収してくれるはずです。
スピーカー乗っけると、サイズもいい感じです。スピーカーの奥行きが285mmくらいで、購入した板材の幅が300mmでしたので、カット数少なくできました。
わざわざ撮影のためだけに、ケーブル外して移動させました。 |
高さは、ゴム足、インシュレータつけた状態で、ウーファー位置が安座のときの耳の高さになるように合わせてあります。
オイルステイン、思ったより色が濃かったです。JBLスピーカーと色が合うかなと思ったんですが、ウォルナット、思ったより色の濃い木なんですね。なんせビンボーでそういう高級な木を扱ったこと無いものですから。
当初、スタンドの空間がもったいないので、本棚みたいの作ろう!と思ってたんですが、そんなスピーカースタンド見たことありません。
棚の側板が共振しないように箱状にせず、柱状にしてるんだと思います。
この考え方は踏襲しようとしつつも、どうしてもこの空間は本棚にしたいという気持ちが押さえきれず、柱は三点にしながら柱を板ツラぎりぎりまで離して、余った空間、本棚にもなりますよ的なスタンドになりました。
イスにもなりそうですが、柱が3点しかないので座らないでください。
モノタロウのカタログが収まります。 |
おわり
結局どれくらいかかったのかと言うと、先程の木材で4,400円くらいの他―
・塗料、刷毛 \1,000円くらい
・ゴム足、ナット類、他金物 1,700円くらい
かかりまして、総額7千円くらいでしょうか…。んー、思ったより高くなったと思うか、安くすんだと思うか。なんだかんだ木材って結構値が張りますよね、根が張るだけに。
木材は安いホワイトウッド、塗装もしない、固定はビス止めでやれば、5,000円以下に抑えられるはずです。焼付してワックス仕上げってのもいいと思いますよ。
僕は塗装もちょっといい感じに、あとで足の長さ変えられるように…、みたいな欲を出したら、予算オーバーしちゃいましたが、仮設程度で考えていた自作スピーカースタンド、これ結構使えそうな気がします。
今の状態の耳の高さ、あとスピーカーのサイズと、ウーファー位置とか調べてホームセンター行けば、すぐにでも自作スピーカースタンドが作れちゃいます。
僕みたいにかわいそうなスピーカーがあるのでしたら、自作という選択肢もありでは…?
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