CNCルータキット CNC2417を作ろう



中国の2万円台の怪しいルータキットCNC2417。いざ作ってみるといやいや、かなりいい。価格以上の性能と、作業性が期待できるので、癖はありますけどDIYが好きな人だったら万人にはおすすめできませんが、おすすめです。

背景

CNCルータ、フライス…違いはよくわからないけれど、テーブル以外にもモーター軸も移動するのがルータでしょうか…、よくわからないけど…。パワーの差で切削能力に違いがあれど、やることはだいたい同じです。

CNCルータ、あったらすごい夢が広がりますよね。
ケース加工、もうドリルで穴あけしてゴリゴリやすらなくて良くなるかもしれません。しかも精度はかなり高いです。
基盤作成、DIYでかなりのプロトタイプPCBが作れちゃうかもしれません。
いろんな文字を彫刻したりできれば、スイッチやケースの文字入れなどが自分でできるようになります。
また、CNCルータにレーザーつければ、レーザー彫刻機として使うこともできます。
最近流行りの3Dプリンターなんてありますが、切削加工はDIYという大きなカテゴリから見るといろんなところに手が届くかなり利便性の高いツールになりえるのです。

アマゾンで検索すると、破格の値段でCNCルータキットが登場しています。

フライス盤にステッピングモータをつけたようなのがCNCフライス盤だったけど、最近はフレーム型のCNCルータがはやり。

我が家に一台CNCルータ、これが時代の潮流なんですよ。ここで登場しているルータキットの殆どは、説明書がなかったり、親切にソフトがついているわけでもなかったりするけれど、2万円台だったら勉強代としてはまぁ、出せるかなってところです。でもこの値段でCNCルータが手に入るのだとすれば、すごいことじゃないですか?技術革新ですよ。

これはもう買うしかないかと。

モーターのパワーやテーブルの可動域などで値段は変わってきます。僕は2万円台でも、金属だったらアルミくらいまでならまぁいけますよっていう、OIMRODITEさんが出品しているCNC2417を購入してみました。2417の数字の意味は、テーブルの可動域のことで、X軸24cm、Y軸17cm動くということです。充分な可動域です。作ってから見てみるとたぶんそれ以上動かせそうですが、謎です。

取説 あります

中国からのEMS発送で、1週間くらいで届きました。

品名「生活雑貨」でフレームとか変なパーツがなんの書類もなしに入ってたらそりゃ怪しまれる。
税関で開封されていました。初っ端からぶっこんできましたねぇ。
中の部品入ってるケースとかもご丁寧にご開封されておりましたが、そもそもどの部品がどれくらい入っていれば問題ないのか謎なので、ちゃんと戻してくれたと信じるしかありません。

組み立てが終わったら、パーツケースとして使える嬉しい部品ケース付きです。
2万円じゃきかないだろうと思う機械部品がたくさん入ってます。

机にとりあえず並べてみました。これを組立図なし、説明書なし、工具はもちろん持ってるよね?制御方法?笑わせないでよ、な状態から組み立てるわけです。不安しかありません。

でもご安心ください。以下の参考文献サイトのリンクから、カスタマーサービスのファイル共有で組み立て方法が参照できます。写真で説明しているのでそこそこわかりやすいです。
実は、この共有ファイルがあれば、組み立てからソフトウェアのインストールとかができ、一応Gコードの出力まではできちゃうんです。それくらい言ってほしいよねー。

制作

まずZ軸つくって……、
”最近流行りの”3Dプリンターで成型された部品が目立ちます。面白いですねぇ。

X軸とつなげて……、

Y軸つくって、テーブルつなげて……、

フレーム組んで……、

いろいろやって全部合体させて……、

制御基板つけて、配線を整線して……、
手順通りやれば基盤は下部取付なんですが、下だと切粉飛んできそうという意見を多数拝見したので、上に取り付けました。
メインボードはArduino nano互換機で、取扱しやすそうです。

各部注油や錆止めをつけたり、調整したりしていろいろ頑張れば完成です!!
いいかんじです。組み合わせると重量感あって、しっかりしてます。

いざ試運転

現状校正の方法無いので、この状態で運転してみましょう。
付属の電源に難あり……、というかここまで多難だったんですが、これは番外編「CNC2417 ここが怪しい委員会」で紹介します。

いきなりスピンドルつけて回したら怖いので、スピンドルなし、モーター未接続で動かしてみましょう。
ドライバは普通のArduino nano互換機ですので、自動でインストールが始まります。GRBLの制御は以下カスタマーサービスの共有ファイルからgrblControlを。サンプルGコードもダウンロードできます。


うぉおおおおおおおお……、(音が)かっこいい……。
GRBLの初期設定だと、XY軸の動きが逆方向になってるんですが、そこは$3=4(0b00000100) で軸の移動方向を変更すればいい感じになります。

ではでは、付属のVカットエンドミルと、ダウンロードしたサンプルGコードを使って切削加工してみようではありませんか!
転がってた木片に文字を彫刻してみます。「words.nc」ってのが良さそうです。
開くと中国語で愛の告白を受けます。うれしいです。

XY軸原点あわせたら、可動域に問題ないことを確認し、Z軸は特に慎重に下げて…、このあとZ軸も原点合わせするの忘れないでね…。忘れないでね…。

そしたらGコードの[send]ボタンを押したらスタートします!!!うぉおおおおおおお!!!

圧倒的 爆音っ……!!
ステッピングモータのピョロロ~が聞こえなくなるくらいの爆音でモーターが回転します。どれくらいの回転速度が出てるのでしょうか、6000~8000回転するらしいですが、謎です。夜はちょっと使えないですね。

見ていて飽きません。

そして圧倒的 使いやすさっ……!!のGRBLコントロールソフト。
3Dで現在の切削状況がリアルタイムで表示されるんですよ!


8分と20秒くらいで、原点の直上にスピンドルが戻り、停止しました。

結果 大成功です!!


うぉおおおおおおおおお!!どうですか!?とってもいいかんじです!!
未調整でここまでできますよ!!これは感動ですねぇ。

ということで、CNCルータの完成と、Gコードの出力、動作までは完了しました。
図面からのGコード作成とか、基盤図面からGコード化とか、実運用にはまだまだこれからですが、格安CNCルータキットCNC2417も、完成すれば素晴らしい機械になりました。
これから夢が広がりますねぇ。



参考サイト
CNC2417 Customer Service (google drive)
Unpoko(2016-1-2)Hardware LOLーGrblの設定
酒井誠(2018-6-15)パソコン スマホ 備忘録ーフライス盤CNC2417を動かすソフトウェア
飲むら~(2018-4-12)RC Car Garage NomuraーCNCフライス その2 CNC2417購入・組み立て編

コメント