DDSモジュール(UDB1005S)をケースに収めよう

以前にDDSモジュールを使ったとき、手頃な値段でいろんな波形が出力できるので、ファンクションジェネレーター買わなくても、たいていの趣味の工作では事足りるなと思いつつも、基盤むき出しなのは扱いづらいので、いずれケースに収めようと思っておりました。
ちょうどCNCルータを買ってある程度使いこなせるようになったので、習作としてDDSモジュールをケースに収め、いかにもそれっぽく見えるようにしてみました。

UDB1005S用自作ケース(全面)
わりといい感じです。
裏はこんなかんじです。
UDB1005S用自作ケース(全面)
シンプルでいい感じです。

DDSモジュールは基盤にスイッチやダイヤルなどがついていて、信号の入出力は端子台から取れますから、ケースに収めた状態でスイッチやダイヤルをピンみたいなので押せるようにして、信号の入出力は端子台からパネルにBNC端子をつけようとか考えていました。
いざ構造を考えてみると、やはり普通にパネルに部品を実装したほうが簡単だということで、スイッチはこれにしよう端子はここにつけようとかいろいろ構想を膨らませていく内に、ちょっと習作にしてはやりすぎた感じはあります。
部品代も1万円位になっており、そんだけあればアマゾンでそこそこのジェネレーター買えるぞというツッコミは正直心の内にありましたが、作ることに意味があるので目を瞑ります。

CNCルータは、前後パネルの穴あけ加工と文字の彫刻、電源表示灯の文字、スイッチ端子台の基盤作成で活用しています。
パネルの前後で、文字を彫刻したときのVカットエンドミルの角度を10°と30°で替えてみたのですが、どちらも悔いの残る結果に。

UDB1005S用自作ケース(パネル)
奥の背面用が10°Vカットで、手前の全面用が30°Vカットで彫刻しました。
10°はABS樹脂にめり込むだけで、後にめくれ上がったバリの様なものが残り、それを取るのに非常に時間がかかる上、まともに掘れてないので10°は不適でした。
30°はきれいに掘れます。ただ、掘るときの深さをちゃんと調整しないと、すぐ文字が太くなってしまいます。今回は思ってたより文字が太くなってしまいまいました。
その他にも、左上の「ON」とか右上の「OUT」が切れてしまっていたり、いやまてよモジュールの最高出力周波数って3MHzじゃなくて、5MHzやんとかそもそも入れる文字間違えてたりと、毎度ながら爪が甘い仕上がりです。
ABS樹脂への文字彫刻なら、30°Vカットエンドミルがおすすめです。

ケース本体はタカチ製ネットワークケースPFシリーズのGB245-70のオフホワイトで、真っ白で清潔なデザインです。

といっても最初はこのケースじゃなかったんですよ…。

最初はタカチのGB型プラケースにして、全面パネルに直接モジュール一式を固定する方法にしようと思って、ケース容量は余裕が余りあるんですけど、見た目もいいしこれで行こうと進めていたんですね。
UDB1005S用自作ケース(パネル)
初代(失敗作)
あー、いい感じじゃないですかーって思って部品とか取り付けていったんですけど、これ実はパネルの上下間違えてるんですよ。左右のテーパーの幅が上下で違うんですけど、そうです上下あったんですよ。
それに左側のスイッチや表示灯の位置、この位置じゃケースのネジ穴と干渉して入んないんですねー!!
あるあるネタすぎて情けないですが、やってしまったなーっていうのがその日の布団に入ったときの印象です。

仕方ないので、もう一個頼もうと思ったら、実は生産終了品で最後の在庫だったもんでお手上げでした。

またケースの選定から、図面を作り直すのはほんと苦労しました。そもそもCNCルータの習作でやってるのに、ここまでする必要あるのか…とやめたくなりましたが、最後ケースだけですのでがんばります。忘れていると、ケースの取り合いってホント挫けます。

で、後継品がPFシリーズのネットワークケースなんですが、なんか違くないですか?だって卓上で使用するようなデザインじゃないし、どう見てもLAN端子とかついて壁とかに引っかかってそうな見た目ですし、加工できるパネルがケース幅に対して小さいです。

タカチ製ネットワークケース製品
タカチカタログより抜粋
測定器ってより、やっぱりネットワーク製品っぽい?

アルミケースではいかにも測定器然したケースはあるんですが、いきなりアルミ加工に挑戦するのは本来の目的から離れてしまいます。CNCルーターで加工するにはパネルが分離できるある必要もあり、そうすると選択肢は限られます。

悩んでる内に、そんな変でもないかなと目が慣れ、あまり小さすぎると収めるとき大変だから、前の大きさを踏襲したサイズにしようとしたのですが、前述の通りパネル領域が小さいんですよね。

パネルに直接モジュールが取り付けられないんです。

じゃぁどうするかというと、そうですね。分離するしかないんです。
中はこんな感じです。

UDB1005S用自作ケース(内部)
液晶部分は吹けば飛ぶ配線です。

一度収めたら後から修理とかしないだろうという気概で配線してますから、これをまた外すのは正直やりたくないです。アップル製品と同じです。

アクリル板はたくさん余ってるのでこれをベースに基盤類を固定して、ケースについてる取付用ボスにアクリル板を固定したので、ケース底にはネジ頭とか飛び出ず大変きれいに収まりました。

信号源としてやはり電源は大事だよなーってことで、TDKラムダのノイズフィルターをつけましたが、効果の程はよくわかっていません。それに各基盤やBNCコネクタのグランドはそれぞれ浮いているのは今になって良くなかったなと反省してます。

UDB1005S用自作ケース(内部)
全面パネル裏側
前面パネルはケース変更に伴って、ほんと余裕がありません。これは事前にCADで調整してるから収まったので、設計は時間はかかりますけど精度が出るので恩恵があります。

特に全面スイッチの取り合いはこの作品で一番感慨深いところで、Eagleでデザインした基盤が、CADで作ったパネル穴と完全に一致していて、はめた時にスコッってスイッチが入るのは大変小気味よいものがありました。パネルにドリルで穴開けてヤスリで削って、部品合わせながら、また削ってっていう昔を思い出すとまさに産業革命の真っ只中にいた人ってこういう気持ちだったんだろうなぁと気付かされます。

贅沢なオムロン製スイッチはスコスコと押せて耐久性も抜群、DDSモジュールというよりちゃんとしたファンクションジェネレーターっぽくなって、普通に末永く使えそうな装置になりました。

終わってみると、ちょっと凝りすぎて自分で言うのも変ですが、普通に測定器みたいな外観になって結果そこそこ満足です。

思ったより時間かかったケース制作はこれで終わり。
ちょうど、頼んでおいたニューマシンが届いたと部品屋さんから連絡があったので、今度受け取りに行ってニヤニヤしながら年末を過ごそうと思います……。

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